私とヒノエ、女の子の3人の顔は
目が点とか、鳩がまめ鉄砲とか・・・・
そんな言葉の意味を説明するのにもってこいだろう・・・
遙か彼方で・・・
第9話
『あっ弁慶さん!!この人が話していた・・・・・・さん?』
『そうですよ、僕もずいぶん女性らしくなられていてびっくりしましたが』
とりあえず無作法・・ではなかったらしい。
ちゃんと女子に見えていたんだと思うと自然と顔が綻ぶ。
『わぁぁぁぁぁさん!!私望美っていいます!よろしくお願いしますね!!』
「こちらこそ、よろしくね、望美さん」
『望美さんだなんて〜望美でいいですよ!』
申し出てくれたけど、女の子と話すのは女房以外では初めてで・・・
少し恥ずかしい・・・そんなきがした。
「では・・・望美・・・?」
『きゃ〜〜〜可愛い!!!』
ただでさえ思い着物の上から望美が抱きつく。
出遅れたヒノエが少し拗ねたような表情でこちらをみているが
着物+望美の重さでは何もできない。
「おっっ重い・・・」
『望美さん、その辺で開放してあげてくださいね。』
『あっごめんね、さん』
「いっいえ・・・・・おかえりなさい、お二人とも元気そうで良かったです」
『ただいま、姫君。本当に女人らしくなったね』
『僕もびっくりしましたよ、あの時の君がこんなに美しくなるなんて』
『え??あの時???なんの事!?』
「昔の話はやめてください、ヒノエ・・・私はお二人にも認めていただけた・・・と思って良いのでしょうか?」
再会を喜んでいた時の顔とは違い、
一気に空気が重たくなる。
『あっ私譲くんのお手伝いしてくるね!さん、また後でお話しましょう〜』
望美が席を立って、襖が閉まってから、ヒノエが口を開いた。
『あぁ・・・そうだね、認めざるをえない・・・かな女房から話は聞いてるからね』
「・・・・・ではっっ」
無作法だとわかっていても思わず前のめりになる、
『まぁ慌てないでください。
今回はその事でさんに逢いたいと言う人をつれてきたんです・・・』
「私に逢いたい人・・・?」
すーっと静かに襖が開かれる。
そこに居たのは・・・
「くっっ九郎!!??」
うつむいたまま、そこに立っている。
『何を突っ立っているんですか?九郎・・・話があるんでしょう?』
『・・・』
初めて目が合う。
とても悲しい目をしていた。
でも、山の事がある私はその目をまっすぐ見つめる事ができなかった。
「・・・・話す・・・事は・・・ない」
重たい沈黙が流れる。
『すまな・・かった・・・俺の力がない・・・ばかりに・・・巻き込んで』
「・・・」
『お前は静かに暮らしたいと願っていたのに・・・・壊してしまって・・・』
「・・・」
『俺は・・・お前から・・奪ってばかりだ・・・母上殿も・・・・仲間も・・・・・』
最後は声が震えていて、九郎が泣いている事に気がついた。
私は、着物を握り締めて、今にもこぼれ落ちそうな涙を耐えていた。
「もう・・・いいんだ・・・九郎、お前が悪いわけではない、山を焼いたのは平家だ」
声が震えないように、
涙が零れてしまわないように、
お前を攻めたりしない・・・と伝わるように・・・
『・・・・』
ガバっと。きつく抱き寄せられて
必死に耐えていた涙がポタっと音を立てて零れる。
『すまなかった・・・・すまなかった・・・・』
「いいんだ・・・九郎・・・いいんだ」
『生きていると聞いて・・・凄く嬉しかったんだ・・・』
「ああ・・・私はこうして生きてる・・・」
ただただ抱きしめあって、
お互いの心の棘を取り除いて
再会の喜びをかみしめていた。