ずっと好きだった。

彼が私を見てない事知ってるのに。

それでも、弓道の大会で一緒に入賞出来て嬉しかった。

嬉しくて告白したらOKもらえて信じられなかった。

でも・・・特別な存在になれて嬉しかった。

例え私が彼女の代わりでも・・・嬉しかった。




【dilemma】 壱話



遠くで声が聞こえる・・・
あれ・・私水に流されて死んだんじゃなかったっけ・・?
ああ・・・そっかお迎えなんだね。

『・・・め・・・おい・・・いけ』

『きゃぁぁぁ・・・・・が・・・・つい』

ちりちりと頬に熱いものを感じる。
いや・・・感じるんじゃなくて、熱い!

「あ・・・れ・・・?」

死んでお迎えにが来た声だと思っていたら
生きてる・・・?

『ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!熱いっっ』
『この子をぉぉぉ誰かぁぁぁぁぁ』

そこはまるで地獄のような場所だった。
一瞬地獄に落ちたのではないか・・・と思ったくらい。

『おいっ!!動けるなら逃げろ!!此処も直に崩れるぞ!!』

「え・・・?私?」

『お前以外に誰がいるんだ!!死にたくなかったら走れ!!』

初老の男性が、私に向かって叫んでいた。
我に返って起き上がって自分の服装にビックリした。
さっきまで制服だったのに、
ずいぶん和風な服に変わってる。
いたる所で悲鳴や断末魔が聞こえてくる。
こんな所で死にたくなかった。

『だれかぁぁぁぁこの子だけでもぉぉぉぉぉ』

「え・・?」

頭から血を流し、柱と地面で挟まれた同い年位の女性と目があった

『そこの方ぁぁ私はもう助からないからっっこの子だけでも連れて行ってくださいっっお願いぃぃぃぃぃ』

良く見ればまだ3歳くらいの子供が女性に泣きながらすがり付いてる。
女性の上には今にも崩れ落ちそうな大きな柱が2本。
自分の上にも同じような柱がゴウゴウと音を立ててる。

『早く走れ!!!崩れるぞぉぉぉぉ!!!』

『お願いですぅぅぅぅぅ早くっっっ』

気がつくと子供の元へ走っていた、
泣きながら暴れる子供を抱えて崩れてくる柱や壁を避けながら走る―――

『嫌だぁぁぁぁぁぁ』

「ごめんね」

『逃げなさ』

女性の声が崩れた柱で聞こえなくなる。

『母上ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ』

未だに周りは凄まじい音を立てて崩れていく。

死ぬ気で走った

夢中で―――

走って―――

走って―――

途中でいたる所をぶつけたけど、痛みよりも恐怖が足を進めさせた。

凄まじく燃え盛る建物を出て子供に怪我が無いか確認した所で記憶は途切れた。